帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹とは

帯状疱疹とは、水膨れを伴う赤い発疹が体の左右どちらか、帯状に出る皮膚の疾患です。強い痛みを伴うことが多く、症状は3~4週間続きます。50歳以上で帯状疱疹になった約2割の方には、皮膚症状が治った後も、帯状疱疹後神経痛と呼ばれる痛みが残ることがあります。帯状疱疹は50歳代から発症率が高くなり、80歳までの約3人に1人がかかると言われています。
この帯状疱疹は、多くの人が子どもの時にかかる水ぼうそうのウイルスが原因で起こります。水ぼうそうは、治った後もウイルスは生き続けて体内に潜伏します。加齢などによる免疫力の低下がおもな原因ですが、疲労やストレスなどがきっかけとなって再び活動を起こし、今度は水ぼうそうではなく、帯状疱疹を引き起こします。

帯状疱疹のワクチンは2種類あります

帯状疱疹ワクチンは、現在2種類あります。効果や接種対象、摂取回数、費用などに違いがあります。

① 1回接種ワクチン(弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)

弱毒化された生きたウイルスが含まれており、小児に使用する水痘ワクチンですが、2016年から帯状疱疹予防として認可されています。
1回の接種で済みますが、有効性は約50%で、5年を超えると有効性が低下します。
生ワクチンですので免疫抑制状態の方(免疫機能に異常をきたす疾患を有する方(HIV感染症など)、および免疫力抑制をきたす治療を受けている方)には接種できません。

② 2回接種ワクチン(乾燥組換え帯状疱疹「シングリックス」)

2020年に認可され、ウイルスの感染性をもたない部分だけが含まれています(組換えワクチンと呼ばれます)。2か月間隔で2回接種が必要ですが、予防効果が90%以上と高く、効果の持続も9年後の時点でも確認されて長いため、弱毒生水痘ワクチンより好んで使用されます。生ワクチンを接種できない免疫抑制状態の方でも接種可能です。
ただ、弱毒生水痘ワクチンに比べて注射部位の痛み・発赤・腫れや、全身の筋肉痛・倦怠感などの副反応が多く出ます。しかし重篤なものはほとんどないと言われています。
シングリックスは欧米では広く接種が推奨されており,高齢者への推奨ワクチンとなっています。

ワクチンの禁忌

  • 水痘ワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシー等)を起こしたことがある方。
  • 妊娠していることが明らかな方。
  • 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する、及び免疫力抑制をきたす治療を受けている方。

刈谷市からの接種費助成と接種費用について

帯状疱疹ワクチンは刈谷市からの補助が受けられます。対象は刈谷市に住民登録がある50歳以上の方で、過去に一度も帯状疱疹ワクチンの助成を受けていない人に限ります。

▼助成回数および金額

① 弱毒生水痘ワクチン「ビケン」:1回4,000円
接種費用
刈谷市の助成(4,000円)利用する場合4,800円
刈谷市の助成利用しない場合8,800円
刈谷市非課税世帯等の方(8,000円の補助あり)800円
② 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス」:上限2回、1回あたり10,000円
接種費用
刈谷市の助成(10,000円)利用の場合1回12,000円×2回
刈谷市の助成利用しない場合1回22,000円×2回
刈谷市非課税世帯等の方(20,000円の補助あり)1回2,000円×2回

※事前に刈谷市保健センターへの補助申請が必要です(TEL:0566-23-9559

その他

  • 水ぼうそうにかかったことのない方は、体内に水ぼうそうウイルスが潜伏することはないので、帯状疱疹の予防接種は必要ありません。
  • 帯状疱疹は約6.4%に再発が認められると言われているので、すでに帯状疱疹にかかったことがある方の再発予防としても有効です。
  • ワクチン接種後2か月間は妊娠を避けてください。
  • 他のワクチンを接種の方は、2週間間隔をあけることが必要です。